
ニーチェ
が妙な感情を惹起(じゃっき)したのだ。
Dr. Harada Medical Coaching
ニーチェ
が妙な感情を惹起(じゃっき)したのだ。
なることではないから平気だ。
敵が現れるかもしれない。
他人の脳を垣間見ることができる!
通常、多読は不可能だ。
中川さん 1万円
菊池さん 5千円
竹中さん 1万円
吉田さん ぶどう
…
「これ見てください」
細長い3枚つづりの紙だった。
上田さん(80歳男性)に手渡された。
左に名前、右に金額などが書いてある。
「何これ?ツケ?」
上田さんは中華料理店を経営していた。
人気店だったが、味があやしくなった。
上田さんの認知症が徐々に始まった。
当然、客足が少なくなる。
2年前に廃業した。
病状はよこばい。
被害妄想が少しあるが、話は通じる。
「確定申告していて出てきたんですよ。
妻が隠し持っていたんです。
入院中にいただいたお見舞いです。
今まで隠していやがったんだ。
全然知らなかった。恥ずかしくて
もう皆さんに顔向けできねえ」
なるほど。
お見舞い返しのためのリストだ。
上田さんの言いたいことはわかった。
お礼を言い損ねていることが情けない。
そういうことだ。
「奥さんお礼してくれてるでしょ?」
「自分で言わなきゃ申し訳ないよ」
妻は妻で考えがあったのだろう。
その考えのキモは我々にはわからない。
上田さんの被害妄想かもしれない。
「道行く人全員がお見舞いしてくれた。
そう思うことにしましょう、常に。
お礼の Pay forward ですよ」
自戒を込めてそう告げた。
お見舞いをくれたらから?
くれなかったから?
それで差をつけるのではない。
どの人も自分を祈ってくれている。
そう考えて生きていこう。
気づかせてくれた上田さん。
いつもありがとうございます。
よろず相談所ワンラブ
所長:原田文植