2回戦突破を目指して


「うちは一回戦しか来ない店だから」
山本さん(66歳)は浅草で長年、
居酒屋を経営している。
「一回戦」とは「一軒目」という意味だ。
他の店で酔った若い客はリスキーだ。

「若い子が来ると常連が帰るのよ」
スナックママの佐藤さん(79歳)は嘆く。
スナックで歌って騒ぐのはもっぱら
ヒマな若者。

若者がコロナを媒介している。
そういう風評があるものだから、
年寄りは若者が来ると退散する。
会社の飲み会も自粛だらけだ。

良くも悪くも日本は「酒文化」だ。
酒の席で先輩から説教され、教わる。
そういう機会がなくなる。
世代間の分断はますます進むだろう。

先週末帰省した。
東京の医者の帰省は地方には迷惑かも
しれないが、帰省先は大阪だ。
みな1週間前に風邪を引き終わり、
PCR検査も確認済みだ。

数カ月ぶりに孫と再開する母親の
喜びようはなかった。
別れ際に孫から順番にハグされる
母親の嬉しそうな顔。

この景色が当たり前になるように
なんとか手を打とう。

大丈夫か日本人?


「コロナの検査できるかな?」
連休初日友人から電話がかかってきた。
「誰に検査?」
「社員にコロナが出た。濃厚接触者が
数人いるから検査してほしい」


友人は素人だから、話が要領を得ない。
「本人に電話させて」

社員から電話がかかってきた。
要するに、一緒に喫煙所を何度も
利用していた同僚に陽性が出た。
自分は無症状だが検査したいと。


区によって多少違いがあるが、陽性者の
濃厚接触者には直接連絡があるはず。
その電話が来ない状況で無症状の人が
検査してもらうのは難しい。

ましてや連休中で大抵の診療所は休みだ。
PCRセンターも休みが多い。
検査は週明けになる可能性が高い。

陽性者との接触最終は一週間前。
検査をして万が一PCR陽性と出たら、
治癒後に隔離される可能性がある。

電話の社員には妻と幼稚園児がいる。
当然家族の周囲も大騒ぎになる。
娘の学校が休校になる愚策もあり得る。

「症状あったらもう一度電話下さい。
念の為に自宅内で適度に隔離して」

コロナと診断されたからといって、
特別な治療があるわけでもない。
友人の会社にも説明した。
保健所から指示が来るまで
「ヤブヘビ」をするなと!

こういう不安や、公表という忖度が
現在の数字に現れているのだろう。
軽症者でホテルや病院がうまる。
もちろん三度の飯まですべて公費だ!

もちろん気軽に検査できるに
こしたことはない。
ただし、それを公表するシステムには
絶対に反対だ。

症状があるのに我慢する忖度が生まれ、
高齢者や弱い人にも広まるからだ。
アホな差別も生まれる。

社員の「夏風邪」で社会的制裁を受け、
会社が損する。
21世紀にそんな時代があったと、
未来の日本人は笑うことだろう。


いや、同じ日本人を笑ってはいけないな。
効果的な発信を工夫しようと思う。