ホンマにわかってるの?


「わかりました」
簡単に、わかる・理解する人がいる。
軽く誇らしげな顔をしながら。
多分ヤバい・・・

すでに知っていただけかもしれない。
人はしょせん、知っていることしか
認識できないからだ。
知っていることを追認する作業は
人生時間のムダ遣いだ。


「理解」はただのゲームだ。
ゲームに意味がないわけではないが、
ゲームは実践ではない。

大人になったら、理解できることが
どんどん増える。
だから「理解収集」が趣味になる。
理解できることに優越感を抱く。

ゲームでクリアするのと同じだ。
次は?
ゲームの次のステージに進むだけ。
それの繰り返し。

実生活は何も変化しない。
社会の役にも立っていない。
いや、「理解」を与えてくれる人の
経済には貢献しているかもしれない。

行動につながらない、
居心地のいい理解は麻薬だ。


行動したときにぶつかる
不測の事態の数々。
そんじょそこらの理解では
太刀打ちできない。
実践でしか、真の充実感は味わえない。

理解した自分を信用していない。

病を水に流せるか?

利き手でない左手の機能向上に
努めている。
左手をもっと繊細にしたい。
まあ主に楽器演奏が目的だが…

石川さんは79歳の男性。
趣味は渓流釣り、麻雀、水墨画
晩酌も毎日する。

若い頃は会社を経営していた。
イケイケだったそうだ。
徹夜麻雀を3日続けたこともある。
毎日ウイスキーはボトル1本。

本人いわく
「滅茶苦茶してましたよ」

そんな生活が影響したのか。
50代のときに脳卒中を発症した。
右半身の麻痺は今も強く残っている。

バリバリやっていた人ほど
自暴自棄になる。
しかし、石川さんは逆だった。
「まあしゃあない」
と開き直った。

クヨクヨする、という言葉は
石川さんの辞書にはない。

渓流釣りは奥さんが同行し、
餌つけ係を担当している。
最初は虫が苦手だった奥さん。
今は、ミミズもゴカイも楽勝だ。

「卒中やったお陰でむしろ、
前より色々やってません?」
「そうかもしれませんね」
ガハハと笑う石川さん。

済んだことは忘れる。
病も水に流す。
はい次、はい次。
川の流れのように…

へこたれない患者さんから
学ぶことは無限だ。