オカルト?ちゃうちゃう

行動や習慣を変えたい。
そう思っている人は多い。

本屋に行けばよくわかる。
そういうよく本が売れている。

変わろうという決意はあるのだ。
決意が持続しないのだ。

なぜか?
意志の弱さ?
では意志って何?

これまた抽象的な言葉だ。
決意とよく似た言葉を使って
説明しても意味はない。

決意を忘れるからではないか?
忘れても人生は送れるからだ。
当然だ。
決意する前も人生を送れていた。
現状を持続する意志は強いと
言えなくもない。

決意を忘れないことが大切だ。
忘れない工夫の一例を紹介する。

生活習慣病の患者さんのケース。
習慣を変えないと治らない。
(変えずに薬だけ飲む人もいるが…)

たとえば
「お腹がへこまないんですよ」
という患者さんがいる。

忘れない環境づくりが必要だ。

ジムに通う?
ランニングする?
間食しない?
食べすぎない?

全部ムリに決まっている。
良い習慣とは何か、は皆知っている。
できないから医者に来ているのだ!

うちのやり方はこうだ。
「へこむようにしてあげます」
と言って、お腹を触る。
そして念を送る(←大事)。

真剣な顔で
「へこむ念を送っておきました」
これでOK。

ホントに効くのだ。

なぜか?
医者にお腹を触られて念を送られた。
それは記憶に残るからだ。
そう簡単に忘れられない
非日常経験だからだ。

自分のお腹を触る度に思い出す。
(主治医に念を送られたお腹だ!)

主治医との約束を守りたい
患者にはとてもよく効く。

ご利益が欲しい人!
触ってあげますよ♡

死に損なう

早い話が
死にかけるのも悪くない
ということだ。

関口さんは82歳の女性。
一昨年末に死にかけた。

来院したとき、真っ黄色だった。
腹痛と発熱もあった。
血圧も下がっていた。
軽いショック状態だった。

「急性胆管炎」と診断。

コネのある消化器内科へ紹介した。
入院治療で九死に一生を得た。

おデブさんだった関口さん。
退院後「ポッチャリ」に変身した。

死ぬ思いをしたのだ。
頑張るつもりはサラサラない。
悔いなきよう楽しむ。

もちろん同じ目には遭いたくない。
1時間4千円のスポーツトレーナー、
週4回の麻雀、週末は絵も習っている。
本人いわく「遊び代」に
月10万円使っているそうだ。

素晴らしいと思う。
できる人はやればいいと思う。

減量にも成功し、生活習慣病も
勝手に改善した。
残りの人生せいぜい価値あるものに
おカネをつぎ込んでほしい。

「全部使い切って死んで下さい」
最大限のエールを送った。

死ぬほどの病で死に損ねる。
望んでできるものではないが、
瀕死も「生」のスパイスになる。

それ、迷惑ですよ

早い話が
世界は誰かの仕事でできている
ということだ。

田島さん(74歳、女性)はホテルの

メイドをしている。

ブラック(?)ホテルのようだ。

あきらかに「こき使われて」いる。

先日は、台風の影響で田島さんしか
仕事に来れなかった。
「大江戸線は走ってたのよ」 

なんと一人で3棟のホテル20部屋を 

“made” したそうだ。

田島さんの仕事を知ってから、
ホテルでの過ごし方が変わった。

掃除する田島さんの姿を

思い浮かべるようになった。

ベッドを元の状態に戻して退室する。

誇らしげに田中さんにそう伝えた。

「それ一番迷惑なのよねえ」

どうせ回収するからそのままの
方がいい、らしい…
むしろ手間になるそうだ。
聞いておいてよかった。

これから気をつけよう。

田島さんの見た目は年齢より若い。
仕事で身体を動かしてきたお陰
かもしれない。
生活習慣病も落ち着いている。

いわば、労働の「副作用」だ。

膝や腰は、やはり痛い…
「74年間働きっぱなしでしょ?」
「息子に言われたの。

身体ボロボロじゃんって」

じゃあ、お前が全部面倒みろ!

と言いたい気持ちをグッと堪えた。

子供が、親に対して「他人事」
のような物言いをする。
決して少なくない。

正直、気持ちの良い話ではない。

高齢者の労働は増え続けるだろう。

「快適」の背後にいる高齢者たち。

「ちゃんと見てくれてますよ。

ええ席用意してくれてるはず」

天を指差してそう伝えるのが
精一杯だった。
田島さんは笑ってくれた。