天国日記(2)

この人の生きている「場」は?

患者さんと対峙しているとき、
意識するようにしていた。
いつの間にか、誰と対峙していても
そうするようになったみたいだ。
もはや「意識」はしていない。

旅行中は四六時中家族と行動する。
妻に指摘されてはっと気づく。
以前と人と接する態度が違うらしい。

出会う人全員が以前より印象的だ。

いつか犯罪事件の目撃者として
警察に招致されたら…
精度の高いモンタージュ写真作成に
協力できるかもしれない。

冗談はともかく、出会う人全員が
印象的になれば、寿命が延びたも
同然だ。
人生時間の密度が濃くなるのだから。

日々のブログも貢献しているの
かもしれない。

書くと決めているから、無意識が
材料(ネタ)を探しているのだ。
意識的にネタ探ししているつもりは
全くない。

海外では一層、相手の「場」の
バラエティが豊富になる。

この人はどんな世界を生きて
いるんだろう?

ちょっとしたやり取りでも頭が
フル回転するのがわかる。
海外旅行は脳に実によく効く。

やる気あるのか?

早い話が
「やる気」は意識されるものではない
ということだ。

「最近やる気が出ないんです」
丸谷さん(69歳)の母が入所した。
介護から解放され、発した言葉だ。
「やる気が出ない」

外来に限らず、一般でも耳にする言葉だ。

それって「やる気」あるのでは?

「やる気が出ない」
という言葉を発しているとき、実は

「やる気」はきちんと発生しているのだ。

???

と感じたのでは?

「やる気」を定義してみる。
「やる気」イコール「モチベーション」
多分異論はないだろう。
「モチベーション」を定義する。

前出の丸谷さんの場合。
「何もしない」が快適領域なのだ。

だから「やる気」は機能している。

多くの人が「やる気」を誤用している。

それを「やる気」があると思っている。

それは多分「働きアリ洗脳」だ。
躾や教育で身につけさせられたことだ。
「嫌なコト」は本来やりたくないはずだ。
逆に、誰かに嫌なコトをやらせるとき。
「やる気を出せ!」

躾けられたのだ。

その上、快適領域まで設定される。

「嬉しさ」「楽しさ」まで決めらる。
これを、この辺まで嬉しがっていいよ。
これを、この辺まで楽しんでいいよ。
あったはずの快適領域が消滅したのだ。
それなりに「嫌なコト」をしている状態。
それが新たな「快適領域」になったのだ。
そして奴隷生活が始まる…

丸谷さんは3人姉妹の二女。
幼少時から「バランサー」だったそうだ。
大人になっても我慢の連続だった。

弊害は血圧と過食に反映されている…

「もうそろそろ好き勝手したら?
そんなに残り時間ないですよ」

自分に嘘をつかず、「快」に忠実に。

丸谷さんにできるかどうか?
知らん。
「やる気」が発動しているとき。
それは意識されない。
意識されるなら、とてもあやしい。
頑張っている可能性がある。
正直に興味あるもの、好奇心の対象に
向かう最後のチャンスかもしれない。