それ知ってる

「それ知ってる」
結果を知っているという意味だ。
クイズ王者を目指しているのか?

つい「知識」収集に走ってしまう。
「知識」と「知恵」は違う。
「知識」と「教養」も違う。


結果に至るまでの無数のつながり。
そのすべてへの敬意。
本当の学びは職人の技術習得と近い。
膨大な時間とエネルギーが必要だ。
最近とみにそう感じる。

自分で階段を登っていく。
自分で地平を切り開く。
ようやく「自分」になれる。
他者と違う「自分」に。

それゆえ希少性が発生する。
希少性にしか価値はない。
「インスタントな知識コレクター」
は間違いなく淘汰される。
常に自戒しておこう。

心が折れていない人へ

「心が折れる」

いつの時代から使われ始めたのか?
比較的最近耳にするようになった。

「心が折れる」人に言いたい。

見たんか?

見えない心を「見える化」して、
自分に不利な状況をこしらえる。
人生時間のムダでは?

他のモノは大体、物理的に折れる。
断言する。
心は絶対に折れない!

苦境に立たされることはある。
かならず立ち直ることができる。
だけど、折れたら立ち直れない。

こういう言葉は世の中に多い。
「そのままの自分でいいよ」
とか。

アカンやろ…

窮地に陥った人を思考停止に
してしまう言葉たち。
救済できないし、助言も響かない。

自分の辞書から抹消しておく。
平静時には絶対に使わないと
心に決めておく。


あえてジョークで使うのは
ギリギリセーフ…
いや、やっぱり止めておこう。

交通事故は悲惨だ

加藤さんは79歳女性。
よくしゃべる元気な人だ。
色んなグループのリーダーを
引き受けている。

加藤さんは先日、自転車運転中に
タクシーと接触事故をした。
転倒し、右手を捻挫した。


タクシーの対応もまずかった。
保険屋の対応もまずかった。
整形外科医の対応もまずかった。
痛みが一向に引かない。

外来で愚痴を延々と聴かされた。
「災難でしたね。でも打撲だから
時間ぐすり。それで済んでよかった」

この程度の励ましが精一杯だ。

加藤さんのグループの人も
大勢当院に来ている。
加藤さんのリーダーシップに
負うところは大きい。

佐伯さんはグループの一員。
来院したときに
「加藤さん大変やったですね」
と言ってみた。

すると
「どうせ話長かったんでしょ。
何で手だったんだろう?
口の骨折ればよかったのに
ってみんなで悪口言ってるの」

と大笑いしていた。

強烈な悪口だ…
もちろん加藤さんの目の前で…

加藤さんは、自らの「受難」を、
大げさに話し、皆から、悪口を
ツッコまれることで乗り越えた。

「下町にうつ病はいない」
研修医の頃、教えられた格言だ。
もちろん例外はある。
しかし、少ないと感じるし、
実際なんとかなっている。

「失敗」や「ブルース」を
軽症のうちに皆で笑い飛ばす。

落語に学ぶことは実に多い。