コロナ対策失敗談


手袋をしたまま用を足した。
手袋をしたままファスナーを上げた。

ファスナーに手袋がはさまった!
手袋は破け、ファスナーに絡まった。
解決しようとするも不自由だ。
両手が手袋のままだからだ。

顔を触らないよう手袋をしている。
感染予防が目的だ。

ゴム手袋は複数回消毒も可能だ。
素手とはやはり勝手が違うことが
「玉に瑕(きず)」だ。

話は変わる。

仏壇がある家が多い。
線香を上げる際、ライターを使う。
ライターの丸いヤスリを回すとき
手袋したままでは不自由だ。

よし、うまく火が着いた!

と思ったら手袋にも着火した。
さっきのアルコール消毒だ!
もう一方の手でもみ消そうと
したそのとき、ハッと気づいた。

こっちも消毒後だ!

着火した手を振り振り、強引に消した。
アルコールがほぼ乾燥していたので
救われた。

実は、これは「実験室アルアル」だ。
実験現場では日常的に火を使う。
実験現場から離れて久しい。
もう一方の手を使わなかったのは
多少「三つ子の魂」だったのだろう。

幸い血圧測定中だったナースと
患者さんには気づかれなかった。

何事もなかったように診療を続ける。
これもプロの仕事・・・
であるわけはない。

会話も反射神経


在宅患者の佐々木さん(84歳)は認知症。
おしゃべりなので一見わからない。
ほとんど辻褄が合わないのだが、
会話が成立する。

反射神経が衰えないのだろう。

亡夫とともに「箱」を作っていた。
時計などを入れる箱だ。
昭和の東京五輪では相当稼いだそうだ。
SEIKOから依頼されていた。
職人商売が成り立っていた時代だ。

診察前に、夫の仏壇に線香をあげる。
ライターがない。マッチしかない。
すべて某信用金庫のマッチだ。
さぞかし長いつきあいなのだろう。

「全然迎えに来てくれないわよ」
と野沢さん。
「あっちにもパチンコあるんかな?」
亡夫の趣味はパチンコだった。

聴診器を当てようとする。

「服の上からでいいの?」
「これ、よう聴こえる聴診器なんよ」
「自前?」
「買うてもろたんですよ、診療所に!」
「いくらでも落とせるもんね(経費で)」

こういう返しに商売人を感じる。
誰が彼女を認知症と思うだろうか?
でも定期診療していればわかる。
毎回同じことを言うからだ。
「先生髪の毛少なくなったね」

宗教はだれのため?


早い話が
「神の呪縛」から逃れるのは難しい
ということだ。


高齢者の家に行く機会が多い。
絶対に「仏壇」がある。
その真正面に「神棚」があることも。

お寺さんに往診した際にも、
立派な神棚があった。

お神酒で晩酌していたお宅も…

釈迦牟尼と八百万の神。
一神教から見れば、日本の宗教は
どれほどフシダラか!


著者はイランから米国に亡命した。
ムスリムから福音派に改宗し、
ムスリムに戻った。
いずれにしてもバリバリの一神教だ。
「創造主」の存在を確信しているはず。


本のタイトルは命がけなのか?
英語のタイトルは
“GOD A HUMAN HISTORY”
だったので少しニュアンスが違う。
安心した。

著者の主張は、神の擬人化が問題であり、
あまねく存在する神、つまり汎神論こそ
真理だとしている。


何のことはない。
「大日如来」がまさにそれだ。
著者は高野山にも行った方が
いいかもしれない…

日本のフシダラさが神様との
丁度いい距離感なのかもしれない。