いつでも怪我の功名


地域の中核病院で新型コロナ陽性が
10人以上出た。

院内感染も疑われているようだ。
連携している患者さんも多い。

「やっと近くに来たか!」
不謹慎だが、妙にワクワクしている。
これまでは二次情報、つまり
「対岸の火事」でしかなかった。
ようやく一次情報に触れるときが来た。

もともと逃げ切れるものではない。
不安がる患者さんも多い。
「大丈夫。治したげるから」
本気でそう思っている。


ウイルスと喧嘩する気はない。
ライオンや象を飼いならした
マサイ戦士のような気分だ。

(調子に乗りすぎた表現か・・・)

やるべきことは限られている。
患者さんにもそう指導する。
原則を淡々とやるしかない。
心の乱れは免疫も下がる。
原則を守り、弱気にならないことだ。

慎重であることとパニックは異なる。
80歳の患者さんなら、80回の冬を
越してきたということだ。
今以上にずっと劣悪な医療でも
冬の感染症と付き合ってきた。
身体が知っている「知恵」は偉大だ。

もちろん科学者として、細心の注意を
払い、最新の情報を集める。
これだけは素人には無理だ。

隣国の成功例や失敗例も謙虚な姿勢で
学ぶべきだ。
体質や地理的にも似通っている部分が
多いのだから。
この経験にも「怪我の功名」は
必ず存在する。

いつも、犬の意見を聞け!


「先生は何年生まれ?」
在宅患者の増岡さんは86歳男性。
「昭和46年、1971年です」
「俺よりいくつ若いんだ。38歳!
そりゃあ合わねえはずだ!」


こういう「物言い」をする人だ。
https://imcjapan.org/medicalcoaching/chat2

増岡さんとの話はいつも弾む…

名匠ヒッチコック監督の名言に
「言葉は雑音にまじって
人の口から出る音にすぎない」

という言葉がある。

確かにそうだと思う。
うちの診療所には外国人患者が多い。
常連には、中国、韓国、インド、
ネパール、ミャンマー、フィリピン、
タイ、コロンビア、フランス…

診療の上で、別段困ったことはない。
はっきり言って語学堪能ではない。
しかし、これまでアフリカや中南米でも
会話してきた。

マサイ族との会話は特に印象的だ。
涙を流しながら笑うマサイの青年を
思い出す度になぜかグッと来る。

どうやってコミュニケーションした
のかすら思い出せない。

この本を読んで解決した。
ヒトも当然「動物」だ。
ただ、犬にはない妄想癖がある。
感情的な判断をしてしまうから
杓子定規になってしまう。
犬の方がより自然で合理的だ!

38歳離れても同じヒトだ。
38歳差なんて犬とヒトの隔たりから
すれば「誤差」に過ぎないはずだ。


増岡さんの物言いは「定規」だ。
次回言ってやろう!