最強の口ぐせ

「かえって良かった」

最強の口ぐせである。
この口ぐせを持っていない人は

ヤバい。

この言葉をひとたび発する。
どんな悲劇の最中でも
脳が辻褄を合わせる理由を勝手に

探してくれるのだ。

人は出来事を「物語」でしか
記憶できない。
そしてその物語の流れには好みの

傾向があるそうだ。

万人ウケする「型」があり、それは
ハリウッドも使いまくっている。

困難を克服するストーリーだ。

悲嘆にくれる状況にあるときほど
「かえって良かった」が効く。

逆に、それしかない。

恐竜は絶滅した。
恐竜にとっては悲劇だが、人間に
とっては「かえって良かった」

今日、人間がこの世にいるのは、
「かえって良かった」と口ずさんだ

恐竜のお陰かもしれない。

外来は今日もブルースだらけ。
次々に来る患者さんに
「かえって良かった」

というのはとても勇気がいる。

だけど、その都度何らかの
理屈が思いつくのに我ながら驚く。

一休さんさながらに…

それは自分の実力なのではなく、
人類がみな持っているDNAであり、

稽古の賜物だと知っている。

誤解のないように言っておく。
「怖がるな」「悲しむな」とは
全く違う。
恐怖や悲哀の感情は本能だ。

本能を失うと死期が早まる。

「で、その次」の言葉、それが

「かえって良かった」だ。

そんな言葉ごときでは絶対に無理!

たとえそう言われても
「かえって良かった」
で絶対に返せるようになる。

こんなときこそ

「落ち込んでいる暇があったら、
そのエネルギーを使って
ブルースを書いた」
デューク・エリントン

大切な人との死別、事業の失敗、
理不尽な出来事、病気、災害…

悲哀の種はそこら中に転がっている。
悲哀の種しか目に入らないだけ
かもしれない。

先人たちはそれをエネルギーにして
仕事をしてきた。
自らの涙を拭いて、世の中の涙の
原因を解決してきた。

便利な世の中と文化を享受している。
挫けなかった先人たちのお陰だ。

悲哀のエネルギー量は大きいのだ
と思う。

どんな困難も乗り越えられる。
そう確信している。
生きている人にはとてつもない
エネルギーがあるのだから。

https://www.youtube.com/watch?v=cb2w2m1JmCY