ビッグマネー

小久保さん(故人)は熱狂的な
ヤクルトスワローズファンだった。

末っ子もファンクラブの会員だった。
なんと始球式の権利を獲得した。

球場で投げた後インタビュー。

「どの選手を応援していますか?」
という質問に対し、
「中日ドラゴンズの川上憲伸選手」

と答え、球場中がズッコケた…

当時小学生だった子が今は大学生。
お父さんの看取りの場での再会。

死と成長、諸行無常だ…

不思議と野球づいている。
東京ドームの招待券をもらった。

娘と観に行った。

10年ぶりの野球観戦。
最後は92歳の患者さんの付添だった。

試合の記憶はほとんどない。

野球を観なくなって久しい。
一抹の不安と若干の期待。
伝統の ”巨人ー阪神戦” だ。

「さすがプロの技」も所々に散見。

しかし、90分が限界だった…

4回の攻防が終わり、帰路へ。

サッカーやボクシングと違い、
野球はいつ終わるか読めない。
今の自分の人生時間の過ごし方に、

野球観戦は合わないと知った。

球団のファンが観に行く競技だ。

ファンでなければ少ししんどい。

宗教洗脳に近いものを感じた。
強要に近い応援のプレッシャー。
頻脈のような音楽の数々。

子連れには恐怖を覚える酒の消費量。

(そういえばビールの消費量はよく

東京ドーム何杯分とたとえられる…)

たしかに宗教儀式に酒は不可欠だ。
連日4~5万人がお祭り騒ぎ。
決して安くない飲み物と食べ物。

周辺の施設も賑わっている。

日本は本当に不景気なのか?

チアのスクールもあるらしい。
次世代の教育もぬかりない。

何度も子どもが画面に映っていた。
しっかり質問の答えていた。
優等生のような答えだ。

ジャイアンツとスワローズの差か?

ファンに袋叩きにされるかも…

伝説のママ@浅草

午前受付終了間際…

今日もホロ酔いで来院した右柳さん。
浅草で息子とスナックを経営している。

御年79歳!

「おとといなんて店閉めたの12時よ」
夜中ではない、昼の12時だ!

異常に元気なママだ。
お店をオープンして30年。

年中無休が自慢だ。

「先生、”うつ”なの。助けて」

が口ぐせだ。

「そう…可哀想に…
宝くじで100万円当たったら?」
「そしたらもちろん治るわよ」
「そんなん「うつ」と違います」

とお約束のやり取りをして診療開始。

「昨日はお茶ひいたのよ」

客が「ゼロ」という意味だ。
ため息をつきながらの険しい表情。
忙しいと、右柳さんのうつは治る。

大変わかりやすい。

タバコを止める決意をした。
飴を舐めることにした。
飴舐めながらタバコを吸ってしまう。

禁煙は失敗に終わった。

右柳さんはビールが大好きだ。
「レッドアイ」はもっと好きだ。
ビールとトマトジュースのカクテルだ。

「レッドアイはデルモンテに限るわよ」

タメになる…

右柳さんは最近太り気味だ。
本人によると
「うどん食べ過ぎてるせいよ」

だそうだ。

「香川県出身よね?やっぱり
うどんにはうるさいでしょ?」
「最近どこのうどんも美味しいわよ。
世の中美味しいもんばっかりよ」

こんな調子だ。

飴とうどんが肥満の原因なのだろう。

孫の結婚式に列席した。
孫は教師、新郎は公務員だ。
「みんなマジメで肩凝ったわよ。

あんなマジメな結婚式初めてよ」

土地柄、本職の人も多いらしい。
右柳さんも不良をマジメにやっている。

「お孫さん素晴らしいじゃない!」
右柳さんは満更ではない表情になる。

孫を褒められて嬉しくないはずがない。

「身体はうちに任せて仕事に専念して。
お互い死ぬまで仕事しましょうね」

毎回右柳さんにそう伝え、診療終了。

医療もスナックも接客業だ。
これほど勉強になる患者さんはいない。
やはり「不良」はしぶとく生き延びる。

みんなもっと「不良」を勉強すべきだ。

(写真と本文は関係ありません)

トリセツ・読書

隅田川花火大会だから本屋へ行った。
20冊ほど目を通し、7冊購入。
売れてる本ばかりだ。

読書を「お勉強」とは考えていない。
一種の「リサーチ」と考えている。
なぜ人は本を買うのか?
「悩み」を解決してくれるからだ。
売れている本は、多くの悩みを
解決している可能性が高いことになる。

実際には、解決した気分になるだけだが…

社会が何を求めているのか?
社会は何に悩んでいるのか?

問題意識を持つことができる。

著者の解決法が「正解」とは限らない。

一つの「視点」を得ることはできる。

本を書くのはそれなりに大変な作業だ。
どんな苦しい思いで書いているのか、

以前より共感できるようになった。

本の内容を憶えているのか?
読書した内容なんてすぐに忘れる。
アウトプットしなければ無意味だ。
(小説や写真集などの「娯楽」は除く…)

医師をしていてよかったと思う。
アウトプットするチャンスが多いからだ。
アウトプットして初めて読書は完結する。
伝える相手なしでは本も読めないのだ。

つくづく人間は関係性の動物だと思う。

去年まではビール片手に花火鑑賞。
今年はコーヒー片手に読書三昧。
つくづく人間は関係性の動物だと思う。