フルアテンション


先週末、講演を依頼された。
「なんとか暗示」効果を狙って
白衣で講演をするのが常だ。

なのに・・・
あろうことか白衣を忘れた・・・

「熱中症ですかね」

ととぼけるのが精一杯だった。
真夏の超ラフな衣装(?)のまま強行。
さいわい、講演はウケ、質疑応答も
大いに盛り上がった。

終演後、妻子と合流し、早めの夕食。
暑いので店探しに時間を食いたくない。
インスピレーションで昔ながらの
町中華に入ることにした。

厨房とホールはともにお爺さん。
今どき、タバコを吸いながら
調理する厨房のマスター。

結論から言えば、たたずまい通り、
メチャメチャ美味い中華だった!
ラーメン、チャーハン、餃子、麻婆
すべて美味い!

子どもらも喜んで食べていた。

会計後、訊いてみた。

「日曜はやってるんですか?」

気まずそうに首を振るおじいさん。

「何時までやってるんですか?」

おじいさんは悲しげに
「今日で閉店なんですよ。
こんなご時世だから」

と答えた。

「安倍さんとおんなじやん!
そしてボクとおんなじやん!
ボクもコロナ失業ですよ」


おじいさんは笑っていた。

「次」はなかった。
閉店直前に食べられたことは
はたして幸せなことなのか?


一期一会・・・
悔いなきよう一瞬一瞬に
フルアテンションするしかない。
次の舞台にメラメラ!
中華料理の火力のように・・・

サウナ状態


佐藤さん(68歳)は大工さんだ。
行きつけの銭湯でたまに会う。

「風呂行ってます?」
「最近水風呂がぬるいんだよ」

故障中だそうだ。

「佐藤さん水風呂好きやもんね。
サウナの喜び半減やね」
「いや。今はカネ払ってまで
サウナに入る気しない」


日中最低4回、着替えるそうだ。
酷暑に大工仕事は火焔地獄に近い。

「マスクなんて無理だよ」
佐藤さんは吐き捨てるようにつぶやいた。

そういえば、業種別マスクの取り扱い
など何も指導アナウンスがない。
こちらは冷房の効いた部屋で気楽な身分だ。
佐藤さんは日中天然サウナで過ごし、
水風呂を求めて銭湯に行く。

水風呂故障は 
“Oh, My God!!” 
の世界だろう。


炎天下肉体労働を避けられない人たち。
往診中、一服している彼らの姿を見かける。
誇らしい「男」の顔をしている。
コロナ下、取り沙汰されるリモートワーク
は自宅で巣ごもり。

宇宙人はどちらを人間と認定するかな?

恥ずかしい話


何年ぶりかのギックリ腰を味わった。

2日前、プチ引っ越しをした。
12年以上過ごした診療所なので、
私物も大量にある。

これまで10回以上引っ越している。
ベテランとして語らせてもらうと、
引っ越しはダラダラやると辛い。
一気にやってしまうにかぎる!


決戦当日。
早朝4時から荷造りを始めた。
未練も感傷も捨て去り、粛々と。

6時前に無事終了、さあ運ぶぞ。
一個目の箱で腰に来た!

やってもうた~

一応プロなので応急処置リストは
頭に浮かぶ。
増悪させないよう伸展させる。
しかし、目の前の荷物が虚しい。

そのとき、人の声が聞こえた。
定期清掃のお兄さんだ。

「おはようございます。
どうしたんですか!?」
「腰やってしもてん」


箱に囲まれ、膝で立っている自分を
見て、すぐに察したようだ。

「手伝いましょうか?」
「それは悪いよ」
「良いですよ、手伝いますよ」


パートナーと二人がかりで
運んでくれた。
ほんの数分で完了。

助かった・・・

「先生いなくなるの寂しいですね。
いつも色々教えてもらってたから」

逆に感謝された。

新聞を取りに行くときによく会話を
交わしていた。
コロナの現状解説や、体調の相談に
乗ったりしていたようだ。

助けてもらったから言うわけでは
ないが、やはり雑談は大切だ。

お礼に、うちのビルに定期清掃に
入ってもらう約束をした。

この事件は一昨日早朝の出来事。
翌々日の本朝、腰は治っている。
非常に治りが早いと実感している。
本来腰帯などをすべきなのだが、
なんとなく使わずにやってみた。

結論
やはり安静にしないのが一番だ。

あくまでも個人的意見・・・