チョコっと里帰り


「ホステスがみんな来ちゃうから」
吉永さん(72歳)は少々イヤミな
オッサンだ。
色々あって独身なので、
銀座遊びを続けている。

こんなご時世だ。
暇なホステスがみな吉永さんの
テーブルに集まるそうだ。
「3密」認定された第三次産業。
しばらく劣勢が続くだろう。

先月の血糖値が少し上がっていた。
「あれだよ。チョコレートだよ。
まだ胃の調子が悪いもん」


『聖バレンタインズデイ』のことか・・・
律儀に全部食い尽くす必要はない。

「里帰りさせてあげたら?」
「え?」
「カカオの産地アフリカへ。食った
ことのない子供たち喜びますよ」

とイヤミで返してあげた。

全世界鎖国状態。
アメリカの食料自給率は100%を
超えているらしい。
日本は38%。
非常時に無防備すぎる。

ふと考えた。

この機会、子どもたちと農業など
第一次産業を学ぶのはどうだろう?
自宅学習にも限界がある。
運動不足も解消できる。
自分の口に入るモノの意識が変わる。

何より「3密」とも無縁の職種だ!

早速心当たりに問い合わせたら、
快い返事だった。
ありがたい!
吉永さんにも声をかけてあげよう。