ゴール霧中

早い話が
「初体験」は濃厚である
ということだ。

ロープウェイに乗った。
雨のロープウェイ。
4歳の娘も初体験。
彼女は高所恐怖症ではないはずだ。
しかし、明らかにビビっている。

終始無言だ。

霧の中からようやく山頂が顔を出す。
娘の頭の中も五里霧中だったろう。

家族全員、とてつもなく長い時間だった。

小雨の降る山頂もたまには良い。
緑が深みを増している印象だった。

木々や土の香りも芳醇だった。

名残惜しさを残し、帰り道。

もちろん同じ時間の道程。

帰りのロープウェイはまさに
「あっ」

という間だった。

「もう着いたの?」

娘の正直な感想だ。

初体験とはまさに「濃密」な時間だ。
二度目は一瞬で過ぎ去る。
回数を重ねる毎に加速するだろう。
脳は「手抜き」したい臓器のようだ。
ゴールは霧の中の方が良いようだ。
見えてしまうとゴールではなくなる。
それを体感することができた。
ワンパターンは極力避けよう。
人生が
「あっ」
で終わるのはイヤだから。
即興演奏万歳!