アンコはドラッグ?

大城さん92歳は独居男性。
在宅診療をしている。
年々減っていく街の長老の一人だ。

頭脳もしっかりしている。
「今日は大したことないと思う」
とか
「今日は少し高いんじゃないかな」

血圧も測定前に予測し、大抵当たる。

朝から酒を飲んでいた。
不良の主治医はそれを許可していた。
年末に転倒し、ケアマネと看護師長に
どやされた(8割は主治医への叱責)。

「飲んでないの?」
大城さんに訊いた。
「もっぱらこっちにしてる」
アルミホイールの上にむき出しに
なった大量の「餡こ」だ。

酒の代わりに餡こか・・・
両方確かに「娯楽」だ。
大の甘党の自分にはわかるが
確かに甘いものは意識を変容させる。

そう考えると、アルミホイールの上の
黒い塊は阿片や大麻樹脂に見えなくもない。

中毒性のある娯楽はある意味すべて
「薬物」だ。

普通、酒は飲むが大麻はやらない。
法律という線引きに従っている。
それだけの話だ。

今の大城さんにとってはケアマネや
看護師長が法律なのだろう。
幸い糖尿がない大城さん。
「たまにはコッチもOKよ」
とグラスのジェスチャーしておいた。