それ、迷惑ですよ

早い話が
世界は誰かの仕事でできている
ということだ。

田島さん(74歳、女性)はホテルの

メイドをしている。

ブラック(?)ホテルのようだ。

あきらかに「こき使われて」いる。

先日は、台風の影響で田島さんしか
仕事に来れなかった。
「大江戸線は走ってたのよ」 

なんと一人で3棟のホテル20部屋を 

“made” したそうだ。

田島さんの仕事を知ってから、
ホテルでの過ごし方が変わった。

掃除する田島さんの姿を

思い浮かべるようになった。

ベッドを元の状態に戻して退室する。

誇らしげに田中さんにそう伝えた。

「それ一番迷惑なのよねえ」

どうせ回収するからそのままの
方がいい、らしい…
むしろ手間になるそうだ。
聞いておいてよかった。

これから気をつけよう。

田島さんの見た目は年齢より若い。
仕事で身体を動かしてきたお陰
かもしれない。
生活習慣病も落ち着いている。

いわば、労働の「副作用」だ。

膝や腰は、やはり痛い…
「74年間働きっぱなしでしょ?」
「息子に言われたの。

身体ボロボロじゃんって」

じゃあ、お前が全部面倒みろ!

と言いたい気持ちをグッと堪えた。

子供が、親に対して「他人事」
のような物言いをする。
決して少なくない。

正直、気持ちの良い話ではない。

高齢者の労働は増え続けるだろう。

「快適」の背後にいる高齢者たち。

「ちゃんと見てくれてますよ。

ええ席用意してくれてるはず」

天を指差してそう伝えるのが
精一杯だった。
田島さんは笑ってくれた。