せっかちなサンタクロース

昨夜11時過ぎに電話が鳴った。
知らない番号だ。
地域の固定電話のようだ。
患者さん宅の可能性が高い。

「原田さんの電話でしょうか?」
男の声、しかも強い口調だ。
「はい、そうです」
「蔵前警察の◯◯と言います」


ついに来たか…
いやいや、自分に心当たりはない。
患者さんに何かあったか?

「赤のブリジストンの自転車。
これ原田さんのでしょうか?」


実は、一ヶ月前に自転車が盗まれた。
警察には届けていない。
色々考えた末、届けなかったのだ。
登録番号から見つけたそうだ。

「えっ、どこにあったんですか?」
「実は今乗っている人がいるんです。
人から貰ったと言っているんです。
まだ詳しくは話せないんです」


駐輪場に施錠して停めていた。
こちらに落ち度はないはずだ。
それだけにショックだった。

犯罪者に与えられる刑罰は?
そもそも警察がすべき仕事か?

(信じられないほど職質される!)
何より調書作成の時間の長さ!
届け出をせずにあきらめた理由だ。

新しい自転車を買うつもりだった。
色々ツッコミどころのある経緯だが
とにかく出てきたようだ。
「縁」のある自転車のようだ。

今度こそ大切にしよう。
来年は最高の一年になりそうだ。