転職のススメ

寿司 に対する画像結果

林さんは夫と鮨屋を営んでいた。
3年前に夫が死去し、店を閉めた。
林さんの落ち込みは激しく、
外来で涙することも多々あった。

自宅兼店舗に住んでいた林さん。
古い家での一人暮らしは不便だ。
子どもたちの提案で引っ越した。
診療所のそばのマンションへ。
勝手が違うので、戸惑った。

薬を紛失することも多くなった。
あきらかに認知症が始まった。
何度も診療所に来る。
ちょっと前に来たことを忘れる。
診療所で薬を飲ませることに。

事務員が独断で行った配慮だ。
必然的に会話も増える。
すると林さんに笑顔が増えた。
すっかり元気になった林さん。
昨日の外来での会話だ。

「快適?」
「ええ、みんな親切ですよ。
前の家もようやく売れたみたい」
「よかったじゃない!」
「宿泊施設になってたわよ」
「外国人多いしイイじゃん」
「今度泊まってやろうかなって」
「オモロイやん!」
「近所から言われるのよ。
今度は何始めたの?って。
だから、宿泊所始めたのよ、
今度泊まりに来なって」


もともとこういう人だ。
84歳。
簡単にはくたばらない。

号泣セラピー


早い話が
雰囲気はめちゃくちゃ大切だ
ということだ。

娘に注射を打とうとした。
インフルエンザの予防接種だ。

「イヤだ」

4歳児の自然な反応だ。
泣くまではいかないが、抵抗する。
身体をよじらせ、逃げようとする。

それを見ていた1歳の弟が号泣。
精一杯の援護射撃なのかもしれない。
「泣く」という手段しか使えない。

姉の「イヤ」が伝播したのだろう。
まだ姉に「痛み」は発生していない。

号泣をBGMに任務を遂行する
冷徹さが誇らしい。

本題に戻る。
雰囲気は大切だ、という話だ。
乱すヤツがいたってかまわない。
下手なヤツがいたってかまわない。

ただし、「雰囲気」への美意識は
一致していた方が良さそうだ。
そこが異なると割としんどい。
よほど体力がないと疲弊する。

幼稚園や小学校はかまわない。
ある意味それを学ぶ「場」だ。
色んな人がいて、その中で
どう立ち居振る舞うか?

病院などの高齢者がいる所では
雰囲気作りは絶対に重要だ。

言語化が難しい部分だと思う。

茶道や武道などの伝統の中に
ヒントがあると考えている。
理由は色々あるが、今回は
触れないでおく。

何千年、何百年のスパンで
生き残ってきたものは侮れない。


医学の持つ「効く」雰囲気。
ヒポクラテスに始まる2000年の
伝統に負うところが大きい。

どの世界も新規参入は容易ではない。
「号泣」という手法しか使えないと
救済することもできない。