感情は二の次

早い話が
感情に行動制限されるな
ということである。

悲しいことがある。
苦しい身の上である。
やる気が出ない。
だから、やらない。

嬉しいことがあった。
気分が非常にイイ。
やる気に溢れている。
だから、仕事がはかどる。

断言する。

どちらもダメ!

やる気があろうがなかろうが
やるべきことをやる。
感情や気分に左右されない。
そのクセをつけた方がいい。

一流の人に接する機会が多い。
一流の人だって人間だ。
気分の好不調は当然ある。
みな、愚直なまでに継続できる。
やる気の有無に関わらず。
それが一流たる所以だと感じる。

感情を切り離して行動する。
それができない人間は死に絶えた。
今、息をしている人はみな、
生き延びたDNAを引き継いでいる。
だから、できるはず。

今まさに過酷な状況にいる人ほど
やるべきことを淡々とこなすべき。
技術を獲得するチャンスだ。
「あの状況でも自分はやれた」
はデカイ!

自分も十代の最後に辛い時期があった。
15歳の妹が白血病になったのだ。
毎日見舞いに行った。深夜まで。
だが、浪人生活は一切サボらなかった。
むしろ勉強が「逃げ場」であり、
「安らぐ場」だった。

そのときに獲得した「技術」だ。
感情と行動を切り離すという技術。

カタツムリの歩みでもかまわない。
ちょこっとでも
前に進む。
人生時間をムダにしないために。

一流になれるという保証はないが、
その技術は一生の財産だ。

死に損なう

早い話が
死にかけるのも悪くない
ということだ。

関口さんは82歳の女性。
一昨年末に死にかけた。

来院したとき、真っ黄色だった。
腹痛と発熱もあった。
血圧も下がっていた。
軽いショック状態だった。

「急性胆管炎」と診断。

コネのある消化器内科へ紹介した。
入院治療で九死に一生を得た。

おデブさんだった関口さん。
退院後「ポッチャリ」に変身した。

死ぬ思いをしたのだ。
頑張るつもりはサラサラない。
悔いなきよう楽しむ。

もちろん同じ目には遭いたくない。
1時間4千円のスポーツトレーナー、
週4回の麻雀、週末は絵も習っている。
本人いわく「遊び代」に
月10万円使っているそうだ。

素晴らしいと思う。
できる人はやればいいと思う。

減量にも成功し、生活習慣病も
勝手に改善した。
残りの人生せいぜい価値あるものに
おカネをつぎ込んでほしい。

「全部使い切って死んで下さい」
最大限のエールを送った。

死ぬほどの病で死に損ねる。
望んでできるものではないが、
瀕死も「生」のスパイスになる。

逃げるから怖くなる

季節の変わり目に頭がモヤモヤする。
岡田さんは84歳の女性。
めまいの一種と捉えている。

表情の硬さはさながら鉄仮面だ。
「笑った方がいいですよ」
対処法を提案した。

かなり前に仕入れた知見だ。

笑うから面白くなる。
面白いから笑うのではない。

逃げるから怖くなる、というのもある。
心理学用語で「アウトサイド・イン」
というそうだ。

もしかしたら表情を和らげると
モヤモヤがとれるかもしれない。
少なくとも緊張は取れるだろう。
有害な副作用は考えられない。
というわけで、笑顔を励行した。

「面白いことを想像するように」
岡田さんは困惑していた。
まあそう面白いこともないそうだ。
だからネタをプレゼントした。

最近、家族が明るく過ごせるように、
朝の挨拶するときスキップで登場する。
家庭で、陽気な父親をやっている。

という告白をした。
このネタは、岡田さんと義娘、
師長にも大いにウケた。

気を良くした主治医は調子に乗り、
スキップで部屋をあとにした。

しばらく岡田さんは、この絵で
思い出し笑いできるだろう。
サービス業を実践している。