前川さん(89歳)は印刷会社の会長。
明治時代から続いている老舗会社だ。
初代は日本のノートの先駆け。
手作りで高級ノートを作っていた。
”Noble ノート”
ご存じの方も多いだろう。
今は、権利は他社に移っている。
息子が4代目を引き継いでいる。
厳しい印刷業界で生き残っている。
大したもんだ。
「今のノートこんなんですよ」


「そんな風になってるんですか!」
正直使いこなせていない。
まだ昔のノートが使いイイ。
そう感じる世代だ。
4歳の娘がスマホに興味を持っている。
スマホより楽しい電話を作ってあげた。


スマホよりずっと距離が近い。
父と娘の糸電話の距離…
あっという間だろう。
あっという間だろう。
今はせいぜいこの距離を楽しもう。
遊んでいるとき、ふと思った。
昔のモノに温かさを感じるのは
単なる郷愁ではない気がする。