アウェイで勝つ方法

「もう少し場慣れしないとね」

そう助言された谷本さん。

谷本さんは82歳の男性だ。
クラシックギターの発表会での話。
アンサンブルで過度に緊張したそうだ。
ギターの先生から冒頭の助言を受けた。

大したものだと思う。
82歳になってまだ緊張する場に挑戦する。

ところで、なぜ人は緊張するのだろうか?
「自己肯定感」の低さから生じる。
そういう心理学の論文があるそうだ。
自己肯定感が高い人は他人も尊重する。
「他人の目」の中に自分を置かない。
「自分の思い」に忠実に行動する。
だから自己肯定感を高めよう。
ということらしい。
ニュアンスはわからなくもない。
けれど、しっくりこない。

「自己」という言葉を使っている時点で
「輸入語」だと思う。
日本には本来「自己」は存在しない。
特に関西人は相手に「自分なあ」と言う。

余談だが、TEDのスピーチなどを見る。
身振り手振り乗り移ったかのように話す。
緊張している様子を感じさせない。

違和感をおぼえる。
アレが「正解」と誰が決めた?
緊張したっていいじゃない?
「関係」の中に身を置いている証拠。
パフォーマンスは訓練あるのみ。
ただし訓練は「頭の中」も必要だ。
発表会が「アウェイ」であること。
だから「ホーム」の力が出せない。
それをしっかり認識する。
その臨場感で稽古すること。
発表会の場を「ホーム」にすること。
自分の心拍数にビビらないこと。

主治医はそのように助言した。

「場」を重ねたからうまくやれる。
とは限らない。
真の「場慣れ」は「普段」の積み重ね。
そう感じている。

「口ぐせ」は最高のプレゼント

今日4月16日の誕生花は
ムシトリナデシコ

花言葉は「罠」と「未練」

なかなかオモロイ…
そんな嬉しくない花言葉があるとは。

難しい言葉は使いたくない。
「意味わかって使ってる?」
と他人の言葉使いに思うときがある。

頭の中に何らかの映像ができる。
他人に伝えるとき「適切」と思われる
言葉を当てはめることになる。

言葉は状況を固定化する。

大山さん(59歳)は昨年母親を亡くした。
突然、独り暮らしになった。
色々と心配していた。
先日外来を受診した。
「どないですか?」
「生きててもつまんない」

言葉が強すぎると指摘した。
頭で思っていることを言葉にする。
どの言葉を選ぶのか?
みなもっと慎重になった方がいい。

自分の語彙力を調べる目的で
『15歳までにしっておきたい言葉1800』
という本を購入した。
高校受験用の本だ。
「あ」行から順番に見ていく。
自分で短文を作ってみる。
自分でも驚くほどスムーズに作れる。
で、ハッとした。
圧倒的にネガティブな言葉が多いのだ!
「あいにく」「あくせく」「悪徳」
「あごで使う」「嘲る」…
その言葉を当てはめる文章は?
その状況を作り出すことになる。

鬱になるモノ書きが多いはずだ。

48年間、言葉の海をうまく泳げたのか?
言葉の罠に絶対にはまらない。
未練を残さず全力で泳ぎ切ってやる!

バイトテロ対策

早い話が、

お客さんは神様ではない

ということだ。

小沢さん(70歳)は夜勤の男性スタッフに
深夜のパット交換を拒否されたそうだ。
「替えて下さい」
と再度要望すると
「こっちは忙しいんだ」
怒鳴りあげられたそうだ。
翌朝になって
「昨日は感情的になってすみません」

男性職員は謝ってきたそうだ。

 

小沢さんのショックは収まらない。
「もう二度と行かない」
テレビで同様のニュースが目に入る。
介護者による虐待、暴行…
悲惨なものしかニュースにはならない。
小沢さんの拒否は一層強固になっていく。

男性スタッフへの怒りも増幅されていく。

同じような出来事は日常的にあるだろう。
介護業界も人手が足りない。
スタッフのストレスも限界に達している。
薄給で忙しい職場。
離職者も多い。
さあ、どうしようか?
賃金を上げる?
絶対に必要なことだ。
しかし、おカネだけで納得するだろうか?
一時的な効果はあるだろう。

昇給はすぐに慣れる。

とにかくお年寄りは増えるのだ。
それだけは間違いない。
人手の需要はさらに増える。
安くつく外国人介護者が増える流れは
目に見える。
結局、価格競争の末路に至る。

他に解決策はないか?

話は少しそれる。
安そうな居酒屋に入る。
アルバイトスタッフしかいないお店だ。
信用できるかどうか。
衛生面その他もろもろ。
彼らの十分な教育にはコストがかかる。
そこまでやっているかどうか?
経営者はコスト削減するのが常だ。
かくしてブラック化していく。
ストレスフルなスタッフばかり。
何するかわからない。

潜在的なバイトテロは前からだ。

 

自分の普段は以下の感じだ。

徹底的にスタッフをホメる。
そして、感謝を伝える。
「ありがとう、気持ちええ接客やわ」
何なら少しトークをする。
お友達になるのだ。
イヤな気する人はいないはずだ。

意地悪をしようとは思わないはずだ。

目に見えてスタッフの態度が向上する。
客もスタッフを育てるのだ。
多分、「叱る」では育たない。
逆ギレされるのがオチだ…
本来「売り手」と「買い手」は対等だ。
分解すれば物々交換だ。
「人の手」に価値があるのだ。
紙幣は機械で大量印刷した紙に過ぎない。
真の価値は「人の手」にあるのだ。

「人の手」に感謝するのは当たり前だ。

てな話をした上で小沢さんに助言した。
男性スタッフを訴えるのは簡単。
その男性スタッフが辞めるだけ。
それではトラウマも消えないし、
再発しないと断言できない。
普段から介護スタッフと関係を作る。
それしかない。

きちんと笑顔で感謝すること。

 

小沢さんは難しい人だ。
誰に対しても不愛想だ。
不思議と自分とは相性が合う。

まあ「慣れ」が大きいのだが…

どの業界も人手不足だ。
正しく感謝することが「自衛」なのだ。
サービスを受ける権利がある!

という態度は危険極まりない。

お客様を神様にしたのは三波春夫だ。
罪深い…